-3.00の日々

今日もただただハッピーでさ、困っちゃうよね。syrup16gが好き。

syrup16gは前向きだと思う。

 

大学生の頃、バンド好きの友達にHELL-SEEを貸したらCDを返されるときにそう言われた。

ほんとに聴いたのか?間違えて違うCDが入れ替わったのかと思った。入れ替わってなかった

普段もチョモランマトマトやLOST IN TIMEを聴いてあの頃は良かったとのたうちまわってるお前に死ぬほどぴったりだと思ったのに、

「このバンドは前向きなことを歌ってる。だから俺には合わなかった。」とか言ってきた。

正直に好みじゃないと言ってくれた方がまだ救われるわ。合わないってなんだよパッチテストとかあるのか音楽に

 

でも、そこからすごくその「前向き」という言葉が引っかかる。引っかかりながらも僕はどちらかといえば「後向き」な思考や行動を繰り返す方なので、シロップを聴くときは大体気持ちが憂鬱で、電車に揺られながらあの頃は良かったとか思ってるときだ。

 

そんなこんなでトラウマや失敗を溜め込んでアラサーになってしまった。

今でもやっぱり失敗したときはsyrup16gを聴く。

そして9年前に言われた「前向き」という言葉を思い出してこれを書こうと思ったんです。

あの時の言葉の意味を自分なりに解釈したので、ここに残しておきます。

 

HELL-SEEは名盤

 

  1. イエロウ
  2. 不眠症
  3. Hell-See
  4. 末期症状
  5. ローラーメット
  6. I'm 劣性
  7. (This is not just)Song for me
  8. 月になって
  9. ex.人間
  10. 正常
  11. もったいない
  12. Everseen
  13. シーツ
  14. 吐く血
  15. パレード

 

この曲数で1500円。1曲100円。安売りもいいとこだ。

この値段設定にも理由があるが、そのことは今回割愛。ネットで調べれば出てきます。

 

僕の中ではこのアルバムはシロップの中でも一番、シロップの良い意味での悪いところが前面に出ていて、ボーカル五十嵐隆のダメさがそのまま15曲になってるように感じた。人間誰しもが感じてる闇の部分を露呈して敢えて歌っている。敢えて言わなくてもいいことをわざわざ歌にしている。無理をしている。

そんなことを感じさせるアルバム。

 

ので、少なくともこのアルバムには前向きなものは何一つ陳列されてない。

学生の頃に聴いてたよりも、社会人になった今の方が重い。でもより好きになった。

失敗やトラウマをそのまま言葉にしてくれるので、寄り添ってくれるような温かさは感じるのだが、背中を押してくれるような前向きさは普通に聴いているだけでは感じれない。

今でもこの日記のタイトル通りの着地点にたどり着けるか不安である。

書いたからには無理矢理にでも終わらせる。とりあえず好きな曲を解読していきます。

 

1.イエロウ

 

さっそく矢のように
やる気が失せてくねぇ
「あっそう」って言われて
今日が終わる

 

出だしからのこの後向きライフスタイルには流石というしかない。出勤前に聴くものではないし、朝聴くようのプレイリストにも入れない。

あっそうって言われてそこからコミュニケーションを取ることを放棄して1日を終了させるところにも何もポジティブさは感じない。1文だけでこの破壊力よ。

 

予定調和に愛を
破壊に罰を
誹謗中傷に愛を
仕事しようよ
死体のような未来を
呼吸しない歌を
蘇生するために
何をしようか
イエロウ イエロウ イエロウ

 

社会問題に口出してないで目の前の書類を片付けろ。働け。と自分に言っている。

そしてそんな俺に到底、輝いた未来はないし、こんなこと歌ってる俺の曲に価値はない。

やり直すにはどうしたらいいかな。イエロウイエロウイエロウ

 

センターバックオーライで
球が消えたよ
サイコキネシスによって
だと思われ

 

そして現実逃避

 

4.末期症状

 

寂しさを振りまいて
サービスし過ぎるのが余計だ
危ない
さびしさをフリーマーケット
セールスし過ぎるのが不快だ
危ない 危ない

 

ちゃんとやんなきゃ
素敵な未来がどこかへ
逃げちまうのかなぁ

 

最近はInstagramとかTwitterとかSNSで目立つ投稿をするとフォローしてる人から「いいね!」がもらえる。承認欲求を満たすためにみんな目立つ写真や発言をする。

メンヘラじみた発言をして、周りから心配されたり批判される人もいる。でも注目はされる。拡散されて一時的に有名になりすぐTLから姿を消す。黒歴史になる。

まさにこのことだなと今になって思う。こういう時代になった今だからこそか。

危ない。

 

 8.月になって

 

君に間違った事はなく
道を誤った事もなく
ありのまま何もない君を
見失いそうな僕が泣く

 

風に乗って風に舞って
月になって星まとって
掴めそうで手を伸ばして
届かないね永遠にね

 

この曲、ほんとにすごく好きなんだけど、ほんとにすごく好きなんだけど。

あまり聴かないんですよね。悲しすぎて。

 

五十嵐さんの歌詞って基本的に人対人のものがほとんどで。

自分と君。自分とその他大勢。

その人と対峙した時の自分自身のこと。

気持ち、劣等感。

この曲とかはまさにその五十嵐節が満載で。

自分を責めながらも、他人への皮肉を混ぜて歌うその性悪な感じをそのまんま歌に乗せてる。

いつ聴いてもいい。でもやっぱり悲しい。前向きな歌ではない。

 

でもいくつか聴いて書いてるうちになんとなく思ったことがあった。

 

五十嵐隆は生きてる

 

当たり前だろ何を言ってるんだと思うかもしれないけどちょっと聞いてほしい。

 

五十嵐隆の曲のテーマは基本、私・君・他人関係なく、「人」であることはなんとなくわかったと思う。

そこでひとつ疑問に感じたことがあって、

前向きな人間が敢えてこんな曲歌うだろうか?寝る前にうるせえてめえメエーと言うだろうか。

原点に戻った。どう考えてもやっぱりこの人は前向きな人なんかじゃなかった。

根っこから暗い。

 

でも無気力で暗い人が暗い曲を作り、それを露呈するのは余程のエネルギーを使うと思う。

ましてやバンドマンなんて、元々社会性などを強く常に問われる職業。茨の道である。

真っ当にサラリーマンをやっている方がストレスもそれなりに溜まるが、それに比べればマシなのだと思う。

それでも五十嵐は選んだのだ。バンドマンを。

バンドマンとして生きることにしたのだ。

 

もう一回歌詞を振り返ってみる。

人対人の歌詞。

やっぱり暗い。全部。

でも、もうひとつ共通点がある。

生きること」を前提に全部歌詞が成り立ってる。

 

生きてるだけで難しいのだ人って。歳を取れば取るほど生きるだけでしんどいのだ。金がない奴も友達がいないやつも基本的に早死にする。

別れを経験して自分の存在価値に疑問を感じる時だって多くなる。

めんどくせえ、うるせえって思う人に会うことも増える。

それでも出会う人は基本選べない。100%相性のいい人も環境なんてほぼ無い。

それでも働くのだ。生きなきゃいけないから。

嫌でも付き合うのだ。生きなきゃいけないから。

 

五十嵐だって同じなのだ。

僕らとなんら変わりはない。生きることだけで必死なのだ。

前向きではない。でも首を吊ろうとはしてない。

足の裏にどうにか根っこを張って、前を向いて生きてるのだ。

五十嵐の曲にはそんな生へのエネルギーを感じる。

ずるいこともあるよね、嫌なこともあるよね、わかる。俺も。でも逃げられないじゃん。死ぬこともできないし。生きるしかない。

頑張ってるもんね。ふんばろう。

そう言ってるのだ、多分。

きっと9年前に友達はこれが言いたかったのかもしれない。

や、逆にこれ踏まえた上で合わないって言ったお前って根っこから腐ってる?

 

最後に

 

長い駄文になってしまった。

でもなんとなくスッキリしたし、シロップを前向きに頑張ろうって思う時にも聴いてみたい気持ちになった。

それも全部9年前の彼のおかげだ。

このことを連絡しようと思ったが、そういえば3年程前から連絡が全く取れてないのだった。

風に吹かれて飛んでいって風邪を引いてすぐ死んでしまいそうなやつだから、

生きてるといいけど。

生きてるだけで、嬉しい。